村役場村長千明金造氏との対談から

①    水力発電について

 片品村は水力発電調査のため堰堤ダムの水量調査を村の予算で15ヶ所実施いたしました。大まかに1ヶ所で20KW~50KWの発電量が可能ですが採算的に合わないということで没になりました。まだまだ検討の余地がありますが、片品村の特徴を生かすメンテナンスのかからない小水力発電に期待したいところです。しかし、初期投資が大きいためこれをいかに償還するかがポイントです。民間の力、知恵、経営能力が必要です。

 

②3期目出馬の表明

 この村長就任から8年になろうとしていますが、村会議員の時から選挙に強い。そして演説が上手い。低負担・高福祉の政策をかかげ財政基盤を確立させ、目指す『小さくても輝く尾瀬の郷片品』村づくりです。

3.11の福島原発非難民をいち早く受け入れ、洪水を治水したといわれる中国伝説の神様禹王(うおう)と片品村の治水とをかかわらせた“禹王サミット”でテレビ・マスコミに登場したなかなかのヤリ手です。今年3期目を目指し村長に立候補を表明していますが、3期目はどこでも高いハードルがあります。3期維持すると恩給やら退職年金とやら相当あり、老後の生活、財政基盤、村も自分も大丈夫となりそれをうらやむ村民も多くいるからです。今まで仲間だったのが一人だけいい目に合うのは困る訳です。政策、政治、保守関係なく、あいつ一人だけいい思いをさせやしないぞと・・・。村会議員も同様3期目はよほど実力があるか人気があるかでないと難しい。

 日本人のいいところでもあり悪いところでもあります。

 

③村内のインフラ  椎坂峠開通は11月

前回御報告の椎坂峠トンネルは11月開通します。沼田市内から片品まで10分から15分時間が短縮されます。今まで川場村、背嶺峠経由で花咲へ来られていた方は、国道120号経由で来村されると楽になります。特に冬の積雪時の背嶺峠越えはきついですからね。

日光に通じる金精峠の年間開道に向けて日光市長と共に国へ除雪を働き掛けるとのこと。これが冬期も開道できれば経済効果大とのこと。何百億円をかけたトンネルが今後の少子高齢化の日本、片品村、村民にとって必要か?

 

④そして千明村長見事当選

 3期目当選しました。約4000票のうち110票差で、当然3期目はハードルが高いとは前述しましたが、村長は3回の選挙は金がかからなかった。その意味では楽だったといい、選挙に強い村長も辛勝だったのでした。

 選挙前に参考意見として沖縄の県知事選挙のことを私が進言した。圧倒的に不利な仲井眞現職がとった戦術は期日前投票に力を入れたことでした。この期日前投票の全票の7割ぐらいを仲井眞氏が集め、その差だけで勝ったのでした。投票日はほとんど相手候補と同じ数でした。

 車で送り迎えなど、つまりどちらでもいいと思っている人がほとんどですから、いわゆる少しの義理貸しで相当数を集められるのは村民の人情というもの。

片品村村会議員選挙今昔

昭和30年代 

 村長選で村は真二つ。選挙違反で村中の多くの人が逮捕されました。警察の取り調べで白状してしまう人が多い中で白状させられるのを嫌って日本刀で首を切って自殺を図った人もいる。幸い命は助かったが保険もない時代なので治療代に100万円必要。田地田畑すべてを売って支払ったと。今ではその人の田地田畑が皆様の別荘地になっているかもしれませんよ。

 昭和55年頃の村会議員選挙でのこと

  20人中2人しか落選しない村会議員選挙が始まった。当時は飛ぶ鳥も落とす勢いの土建屋の社長さんが立候補した。自宅の左隣の家が選挙事務所、右隣が飲み食い処、投票日10日前からは毎日飲めや唄えやの大騒ぎ、麻雀、花札のご開帳、負ければお小遣いまで頂ける、この社長さんは第2位で見事当選。当選した後、この社長さん金儲けは上手だが、恥はかいても字は書けないタイプ。議会でも4年の任期中1回だけ、発言というより夜会議が終了した後「俺の下駄がねえ。」とこれだけ。更に村民がこの村会議員の土建屋社長に村への頼みごとに行くと、「お前にはすでに金も渡してあるし飲ませ喰わせしてあるので貸しがある。だからそんなことを俺に頼みに来るな。」と。