片品村より2

ペンションの日本語訳は年金という意味です。定年退職者が年金を受取りながら第二の人生を自宅を宿泊業として使用するヨーロッパで始まった西洋型民宿です。借金も無く夕食も提供しないのですから調理室への投資金額も少なく朝食をパン、コーヒー、目玉焼きぐらいですから簡単で手間がかかりません。夕食はペンション附近のレストランでお客様が選んで食べる。ですからオーナーはチェックイン時にお客様を部屋に案内すれば本日の仕事はほとんど終わりです。つまり日本の都市部のビジネスホテルと考えれば良い。これに比べて日本は1泊2食付、特に夕食に何が出てくるかはオーナー側の提供にまかせるしかない。又オーナー側も夕食の為の労力や時間は相当とられてしまう。1泊2食付という宿泊スタイルはアジアでも日本だけしかない。夕食が附近レストランで可能という場所はほとんどが都市部ですから、不動産価格がべらぼうに高いので億単位の投資が必要です。日本のペンションは億単位の投資をするならもっと効率の良い不動産投資があり安定もし不労所得でもあり楽だが、しかし山間部や田舎では都市部から来た人へ融資について地元金融機関はそんなに安くお金は貸さないし担保価値もない。地元保証人になるのは建築を請負う建築業者ぐらいしかいない。手頃な資金で3000万~5、6千万で開業が出来、地元の金融機関も融資するし自然環境の良い田舎暮らしが出来て都会のけんそうやわずらわしい人間関係からも脱出できる。好きなスキー、釣り、有機農業、山遊びがいつでも出来る。大自然の中では将来の希望あふれる新しい人生の出発だ。あとはお客の来るのを待つばかりだ。そしてバブル時期はお客も大勢来た。しかしバブル崩壊後まず第1に必要でない旅行中レジャーへのお金を節約することは当然で旅館、ホテル業界の悪戦苦闘は現在に至っている。少子化などや不景気、価値観の多様化などでスキー場附近の宿泊業は特に厳しい。私の孫などスキーに誘っても「寒いから行かない」などと抜かしおる。テレビゲームの方が暖かい所で楽しいと。ペンションオーナーも年をとってきて夕食を作ったり、スキー場までの送迎もきつくなってくる。子供もあとを継ぎそうにもない。お客が少ないので主人がどこか働くにしても雇用が少ない。地方の寒村では臨時の作業員ぐらいしかない。将来はどうするのか、不安の毎日だ。この様な現況は全部ではないが増えているのは事実だ。しかし反対に中には頑張って起業し成功している人もいる。ハム工場を開業、20人も使用し年間売上げが数億円もある人もいるしヨーロッパペンションの様に年金生活で借金もなくゆっくり人生を謳歌しているペンションも少しはある。独自の生き方を経済力を基礎に着実に発見した人は見ていても気持ちが良い。

閑話休通
今年の冬は熊が冬眠をしそこなって正月に歩いているのを見た。今まで住まなかったいのししが増えました。これも地球温暖化ですかねえ。昨年、片品村では熊を200頭獲った。例年の10倍だ。熊の肝は相場が金の2,5倍で中には数百万円も手に入れた鉄砲打ちもいたと聞く。地球温暖化も人間だけでなく動物、植物にも確実に影響している様です。

片品村より

リゾート不動産、春の売り出し準備の準備に片品村にいる。今年は雪不足で道路にはほとんど雪がない。人口降雪機のない村営スキー場は客もまばらで毎年赤字が続き、スキー場の身売り話が浮上してきた。新潟上越地方のスキー場も外資系資本への身売りも己に数箇所あり、それもアジア系例えば台湾のホテル王と呼ばれる会社が買収したとも聞く。片品村のスキー場の歴史は昭和30年代に始まりそれまでは日本の寒冷地農村の冬の過ごし方は、炭焼きか出稼ぎだったのが一転スキー場が出現、一スキー場約60人の冬期のみの雇用で現金収入がありスキー場に勤め出稼ぎに行かなくても家族団らんで一冬過ごせる。加えてスキー場に売った山林や畑の代金で民宿を開業、これがおりからのスキーブームに乗って大盛況。畳一畳に一人泊める時代もあった。しかしバブル崩壊後、少子化や不景気も手伝って年々スキー客の減少が続く、調子に乗って銀行から借入れて設備投資をしたホテルなどは不良債権と化した。それも一部落ごとの単位での返済不能だ。赤信号皆で渡れば怖くないと部落の中の民宿やペンションの多くが借金だらけでいつかは競売になるのでしょうが、居住してまかりなりにも商売しているので金融機関にとっては始末が悪い。営業権を他人に譲渡し自分が雇われている形をとる宿泊施設もある。結局ペンションは流行りすたり商売でホテルや大旅館のあまり客を体裁だけととのえて多少気取った姿でブームに乗せたということだろう。経営者の多くはその質も決して高くない。スキー場、民宿、ペンション残酷物語。つづく。。。

年の始めのぼやきごと

あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
零細企業が無い不動産業者には相変わらず厳しい環境続きます昨今です。大手の不動産業が仲介部門や賃貸部門に参入してからというのは年々市場占拠率が狭められる為、隙間をぬうようにしぶとく生き抜く力量が試されている様でもあります。不動産業の特徴は地域定着型業種であり情報産業であり実に人脈産業であったはづが、インターネットの普及により大変革を迫られて参りました。新しい情報がインターネットにより毎日どんどん入り込み、人脈、情報コネクションや地域定着だけではとてもお客様からの業務獲得はままならなくなって参りました。お客様も同量の情報を掴み取ることが出来るのですから不動産業者としても更に勉強の必要が生じてきます。因みに当地東村山市内の久米川駅南口周辺では約13件もの不動産業者が存在しますがこのうち社員らしき員数を雇用しているのは3件から4件のみ、あとはじいちゃん、ばあちゃん、とうちゃんにあんちゃんなど家内産業がほとんどです。自宅兼事務所、他にアパートの家賃収入、他との副業収入などがあり少ない不安定収入でも細々と生きて行けるからなんとか継続している仲間もいます。更にこういう状態ですと後継者問題が生じてまいります。厳しい実情を知っている子供は親の日常の姿を見ていて希望がもてない商売をやろうとしないのは当然で、他に就職でもみつからない限り後を継がない一方社員を抱えている社も実情は厳しくて時々看板社名や看板が変わって経費倒れともきく。何か新しい事業を探すにも老化の進みや資金不足で先行き真っ暗だと言う仲間もいる。このうっ積状況も世間の景気の悪さや政治の失政のせいばかりしていられないので連日の会議会議で対策、政策に渋い顔を並べながら激論が続く。家族にも言えないし酒量も増える、厳しい1年の始まりだ。福田の康あにいどうなるのだ。この先の日本は、とも言いたくなる。全体のパイが小さくなっている日本ではこの少ないパイのとりっこだ。自然淘汰とも言えなくもないが中国やインドの台頭をおそれつつあとからヒタヒタと迫られるマラソンランナーのような心境の日本は強力なリーダーシップを持った政治家が必要なのかもしれません。当社も地元定着の他、リゾート部門の業績向上を目指して本年も尽力してみたいと思います。年の初めのぼやきごと。

 

                                 平成20年1月8日 代表取締役 安藤 巖