商店街の変化と滅びゆく草原?

先日、近所のいきつけの床屋さんに行って帰ると、妻が「もう3,900円の処より、毛が少ないんだから1,000円の床屋へ行ったら?」と抜かすのです。二年程前にこの1,000円の床屋が私の行きつけの床屋の斜め前に出来たのです。数十年行きつけの店からは斜め前の床屋にいくら安いから毛がなくなったからと言ってなんだか裏切るように思われてその差額2900円にかえられない人間関係が存在するのです。毎日のように前を通り床屋さん夫婦とも日常挨拶をし、すれ違ったりするのでとても1000円の床屋に行く気になれない。
更にもう少し先に数か月前にもう一軒床屋さんが出来ました。これも1,000円という看板が出ていた。双方の床屋はチェーン店らしい。この通りの商店街は、寂びれてすたれて歯が抜けるように個人商店が消えていく。そしてシャッター通りと化してしまう。衣服、うなぎ屋、雑貨屋、水道修理屋、金物屋、ラーメン屋、和菓子屋、寿司屋、肉屋、魚屋、とここ十数年で消えてそのあとシャッターが閉じたままです。現在しぶとく残っているのは、居酒屋やスナックですがこのスナックもママさん昭和52年頃から始めて今でも頑張っている。若くて美しかったが今でもそれなりに魅力的なのが嬉しい。相当な努力をして美貌と店の営業を頑張っているのだろう。その他ふとん屋さんや煙草屋さんも洗濯屋さんも頑張っている。しかし、クリーニング屋さんと床屋さんは雨後の竹の子のように出店する。そして安いのです。受付だけでまとめて別の場所へ洗濯物を運んで一気にその日のうちに仕上げてくるので便利でいいが、汚れが落ちていなかったり、仕上げが拙いのも時々ある。従来からあるクリーニング屋さんはいつ辞めてしまうのかと心配している。大手チェーン店が利益率の高い小売業から手をだし今ではほとんどの小売業に進出しています。寂しくなった頭をなでながらよき昔の小売業での風景を思い出して懐かしがっている。小売業の店をたたんでしまった人は何処へ行ったのだろう。頭の毛が残っているうちは前からの床屋さんに通おうっと。

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