安くて嬉しいばかりではない

先日午後の食事時間の合間に栃木県の肉料理の老舗レストランに3人で入り2時間程話し込んだ。3人でコーヒー2杯づつ合計6杯勘定が480円、えっと本当ですかと思わず店員さんの前で念を押してしまった。数時間後、私の乗用車のエンジンカバーが一部はずれ音を立てるようになり通りすがりの自動車修理へ入り修理して頂きこれも1000円でした。
あまりにも安いお値段が1日のうち2回もあったのでなんだか嬉しくなってしまった。しかし待てよ、何でもかんでも安くなったが買う時は財布から出る金は少なくてすむがどうやら最近そうも言っていられなくなりつつある。自分のところの商品もどんどん値下げしなければ売れなくなったし、その分利者も少ないし、嬉しくもないので娯楽などにはお金は使わないようになった。スキー場の話だがリフトの一日券が売れなくなったそうだ。1回づつ買って数回滑りあとはゲレンデで遊んだり、彼女とお話したりして午後になると早めに帰ってしまう。1日券を買って十数回も滑り元を取ったとまた早く上手になれば嬉しいななどと感じるのは今は昔の話です。少子化か、価値観の多様化か、うちの5歳の孫もスキーへ1回連れて行ったが、寒くて嫌だと言い2回目は行こうとしない。スキー場付近の宿泊施設も大変だ、高速道路が1000円のためほとんど日帰りだ。以前は土・日泊まり日曜日も空いているスキー場で充分滑るなどが日曜日に滑るスキー客が皆無となったと嘆いていた。日曜日だと1000円で帰れるからだろう。
冷水が地方や若者に全て行き渡り死んだような日本、どうなるのだろうか。
いつかいい季節が来るのだろうか。編んだ縄のように良い事と悪い事が裏表に変わりばんこにくるといいのですが・・・。しかし上を見ればきりがないがまだまだ日本は幸の方だ。ただ今までが良かったのでこたえるのだ。終身雇用、不動産の値上がり、全て順調に過ごしてきた日本経済。終戦から食料、繊維、家電、自動車、建設不動産と10年ごとに経済を牽引する主力産業があり、真面目に勤めれば家を持ち自動車通勤、当時の後進国の中国やアジア諸国から見れば羨ましい限りだったが国民全てが中流意識を持ち前途幸せ、ずっと続くと思っていたがこの有様です。はかない中流意識だ。あんちゃん姉ちゃんが外車に乗り1DKのアパートに住みゴルフ旅行に懲り幸せを謳歌していたのはつい最近です。十年前誰がこの様な日本を想像しただろうか。我々小企業はバブル時機にいもたいした大儲け等夢のまた夢、バブルが崩壊してもほとんどが低迷期を過ごしました。政府は煽り立てるように景気の浮揚をアナウンス効果を狙ったのはつい数年前です。今度は騙されてはいけませんぞ。おのおのがた。

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